ダンブルドアが手配してくれたロンドンの病院に着くなり、私の体調は悪化の一途を辿った。
これまでよくもってくれていたな、と思う。
心身ともに一気に緩んでしまったのだろう。
身体から気力という気力が抜けていくような心地だった。
両親はすぐに日本から駆けつけてくれて、私の顔を見るなり母は泣き崩れた。親不孝で申し訳ないと心から思ったけれど、後悔はしていない。
ホグワーツで過ごすことができて本当に良かった、行かせてくれてありがとうと、何度も両親に伝えた。
これから私は最期の時間を過ごしてゆく。
それだというのに、思っていたほど、悲壮感に暮れずにすんだ。
どちらかというと虚無感、ぽっかり胸の奥に穴が空いたような感覚が大きい。
ホグワーツを去る前に、ダンブルドアが写真をくれた。
いつの間にか撮影していたものらしい。
写真と言っても、魔法界のそれは、ビデオカメラで撮影したように被写体が動いていた。はじめてこの魔法界の常識を知ったときにはずいぶんと驚いたっけ。
写真のなかのセブルスと私、先生方と私は、楽しそうに笑っていた。
もっとも、セブルスはいつも仏頂面だったけれど、それがセブルスらしくて微笑ましくなる。
楽しくて幸せだった想い出は、たしかにそこにあった。
写真のなかでありありと生きている私。
だからきっと、大丈夫だ。
しぬのは、怖い。ものすごく怖い。
やり残したことができたとはいえ、それでも心残りはまだまだたくさんある。
セブルスと、もっとたくさん話しをしたかった。
そばにいたかった。
行きたい場所もあった。したいこともあった。
セブルスがこの事実を知ったら、どう思うだろう。
怒るだろうか。なぜ話さなかったと嫌われるだろうか。
勝手に別れて、勝手に寄り添って、そしてまた勝手に離れてゆく、どこまでも身勝手な私を許してくれるだろうか。
けれど、わがままにならなければ、自分の死と向き合うことはできなかった。
ごめんね、セブルス。
セブルスのことを考えると、苦しみと愛しさとがぐちゃぐちゃになって、どう収集をつければ良いのかわからなくなる。
セブルスに、手紙を書こう、と思う。
できれば直接謝罪したい。
けれども、伝えられるかわからないから。
セブルスへの弁明をすることで、自分を慰めようとしている、どうしようもなく愚かな私を。
セブルスは、許してくれるだろうか。
ヒロイン視点:
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セブルス視点:
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